ロービジョン検査判断料が診療報酬点数として制定され、2018年には視覚障害における身体障害者認定の施行規則が改正されるなど、近年では眼科医、視能訓練士において、ロービジョンケアに対する関心が強まりつつあります。そのようなことを鑑み、日本ロービジョン学会ではロービジョンケアを促進する目的で、2015年度から「視能訓練士のためのロービジョンケア講習会」を開催してまいりました。そして、2017年度には視能訓練士に限らず、他の職種の方にも門戸を広げ、「ロービジョンケア講習会」として、日本ロービジョン学会会員の方であれば、どなたでも聴講できるようにいたしました。幸い、今まではキャンセル待ちの方が大勢出るなど大好評のうちに終了しております。
第一回目はシルバーウィークの3日間にわたり、東大病院の会議室にて集中講義と実習を行い、眼科外来におけるロービジョンケアに必要とされる事項を総合的・系統的に習得し、実践力を身に付けることを目的として行いました。第二回目からはより内容は変えないものの2日間で大阪の北野病院のご協力のもと、そこの会議室で行っておりました。その一方、東京、大阪以外の地方都市でも開催して欲しいとの要望も多く、今回は髙橋広先生の多大なるご協力のもと、装いも新たになった北九州市立総合療育センターにて、今年度は開催月も新たに2月10日(日)、11日(月・祝)に行うことといたしました。2日間を通して受講した方には、修了証が授与されます。今回は1日単位での受講を受け付けられませんが、今までの回にて1日単位で受講された方のみ受講でき、修了証の対象となります。詳細については開催概要をご覧ください。
眼科診療施設でロービジョンケアクリニックを新たに立ち上げようと考えている医師、視能訓練士、看護師の方だけでなく、ロービジョンケアの実践においてこれでいいのかと迷っておられる方や実践経験の豊かな方にも原点に戻って知識や技術を再習得するよい機会になると考えます。また、懇親会などを通じて、ロービジョンケアにおいての様々な悩みをお持ちの方の良き相談の場になることとも考えます。
日本ロービジョン学会では今回を含め「(視能訓練士のための)ロービジョンケア講習会」を4回開催してきましたが、実はこれが最終回になります。それと申しますのも、来年度からは厚生労働省の管轄において、国立障害者リハビリテーション学院(所沢)にて「視覚障害者用補装具適合判定医師研修会」の視能訓練士版の研修会が開催されることが予定されております。その研修会の詳細については未定ですが、日本ロービジョン学会が今まで開催してきた講習会の意図を十分組み入れたものになると期待しております。
以上のように、日本ロービジョン学会が開催する「ロービジョンケア講習会」は今回が最後となりますが、多くの聴講生から高い評価を頂いて参りました。この機会に是非とも一人でも多くの日本ロービジョン学会会員に聴講していただけますと幸いです。
平成30年11月吉日